おまとめローンはお得なの?そのメリットとデメリットを債務整理と比較

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おまとめローンと債務整理の違いは何?

おまとめローンはどのようなものか

おまとめローンは複数の借入先を一社にまとめるためのローンのことで、既存の借入先よりも低い金利のおまとめローンに借り換えることで利息合計や毎月の返済額を軽減して返済を楽にするためのローンです。

例えば、ローン5社からの借入残高250万円を金利18%で3年かけて返済する場合、利息合計は753,716円、毎月の返済額は90,381円になります。

この借入残高250万円を金利12%のおまとめローンに借り換えると(3年返済)、利息合計は489,288円、毎月の返済額は83,036円になります。

つまり、借り換えにより利息合計は264,428円、毎月の返済額は7,345円軽減できるわけです。

債務整理はどのようなものか

債務整理は借金を整理するための方法です。債務整理には、裁判所の直接的な関与のない任意整理と、裁判所を通じて行う特定調停、民事再生、自己破産があります。この4つの中では任意整理、民事再生と自己破産がよく利用されるのでその概要を紹介します。

任意整理をして借金を整理するケース

任意整理は債務者が債権者と直接交渉して借金を整理する方法です。裁判所を通して行わないので手続が比較的簡単で交渉が早く進め面もありますが、債権者からの要求が厳しく債務者が期待するほど債務が減額されにくいなどのデメリットがあります。

民事再生をして借金を減額するケース

民事再生は住宅ローン以外の借金を大きく削減できる債務整理です。住宅などの資産を残せたままで借金を整理できる点が大きな特徴です。

また、民事再生は借金を大幅に減額した後に残額を3年で返済する方法なので、利用対象者にはその返済能力が要求されます。

自己破産をして借金を0にするケース

自己破産は借金の返済が極めて困難な方がその借金を整理するための方法です。自己破産の場合、借金をすべて棒引きにでき借金のない新たな生活を始められるというメリットがあります。一方、自己破産すれば家や車などの財産を没収されるというデメリットもあります。

おまとめローンと債務整理の特徴、違いについて

・債務の削減効果で比較

おまとめローンの場合の削減効果

前に説明したとおり、おまとめローンには既存の借入先の金利と借り換える先の金利の差が大きいほど利息の削減効果も大きくなり、また、その借り換える金額が大きいほど削減できる金額は増大するといメリットがあります。

しかし、金利が1~2%程しか下がらない場合、劇的な債務削減効果は期待しにくいでしょう。

債務整理の場合の削減効果

債務整理の方法によって債務の削減効果が異なります。自己破産は債務の全額が免責、民事再生は大幅削減が可能、任意整理は話し合いにより小幅から大幅削減になります。

・債務を削減する早さで比較

おまとめローンの場合の削減効果

おまとめローンは審査に通れば直ぐに利用できて便利です。契約した月や翌月から返済負担を軽減できるという確実な削減効果がすぐに得られるというメリットがありますね。

債務整理の場合の削減効果

任意整理は債務者と債権者の合意が必要なのでそれまでの時間が問題になります。自己破産や民事再生は裁判所を通じた手続となるので申請が認められる場合でも一定の時間がかかるので即効性が高いとは言えないでしょう。

・債務を削減するための手間で比較

おまとめローンの場合の手間はどれくらい?

カードローンのようにおまとめローンも申し込み・審査・契約の手続をするだけなので手間は少ないです。ただし、カードローンよりも収入証明書などの必要書類の提出が多くなるかもしれません。また、審査結果の回答にやや時間がかかるでしょう。

返済の手間は借入先が一本化されることから管理の手間が大幅に軽減されます。

債務整理を行う際の手間はどれくらい?

債務整理の中には個人で行えるものもありますが、法律の知識が必要になることが多いので弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。法律の専門家に依頼して任せれば債務者は手続で煩わされるような手間はなくなるでしょう。

・債務の削減に要するコストについて

おまとめローンの場合のコスト

おまとめローンに申し込む際や利用する場合のコストは通常のカードローンとほとんど同じですが、おまとめの場合ローンによっては利用手数料を徴収されるケースがあります。ただし、徴収される金額は何千円程度のケースが多いですね。

利用上のコストについては、借り換え前にATMを利用していた場合借り換え後は返済が1回(1社)で済むため大幅に削減できるでしょう。

債務整理の場合のコスト

債務整理の手続を法律の専門家に依頼すれば費用がかかります。費用の金額は案件の内容により異なりますが、10万円から30万円程度かかることもあります。

また、裁判所には予納金という費用を収めることになります。

利用に伴うデメリット

おまとめローンのデメリット

おまとめローン利用によるデメリットは、利息の過払い金が返還されなくなるケースが挙げられます。
いわゆるグレーゾーン金利で借り入れを行い、返済をされていた方に関しては、過払い金が返金されるケースもあります。
過払い金の対象となるローンの返済を行われた方が、おまとめローンで一括で返済してしまうと、過払い金の返金手続きの対象とならないケースもあります。
過払い金の対象になるかどうか確認した上で、おまとめローンを検討することをおすすめします。
おまとめローンのメリット・デメリットに関して、下記記事がより詳細な解説がありますので、ご覧ください。

デメリットではないですが、貸金業者の貸金業法に基づくおまとめローンを利用した場合、返済専用のローンとなるのでそのローンから追加の借り入れができないという点があり、やや不便なポイントです。
追加の借り入れをしたいなどの希望があれば、銀行カードローンをおすすめします。
消費者金融のおまとめローンと、銀行カードローンのおまとめローンの性質の違いは、下記記事をご参照ください。

債務整理のデメリット

債務整理をした場合、信用情報機関に債務の処理に関する情報が記録されることになります。いわゆる「ブラック」という分類になり、一定期間融資商品の利用が困難になるでしょう。また、民事再生や自己破産では官報に名前が掲載され、自己破産では財産が没収されるというデメリットがあります。

おまとめローンと債務整理の削減効果の比較

債務の削減効果

任意整理は話の成り行き次第の面はありますが、それ以外の債務整理の場合、おまとめローンより債務額を大幅に削減できる可能性が高いです。

債務を削減する早さ

おまとめローンは契約すれば直ぐに削減効果が期待できますが、債務整理は手続に入ってから債務が削減されるまでの時間がかかります

債務を削減するための手間

おまとめローンの場合利用にかかる手間は少ないです。債務整理の場合も弁護士などに依頼すればそれほど手間はかからないでしょう。ただし、案件によっては裁判所や弁護士などとのやり取りに手間が多くなることもありますね。

債務の削減に要するコスト

おまとめローンを利用する上でのコストは極めて少額ですが、債務整理の場合は弁護士などへの報酬や裁判所への予納金などで多少まとまったお金が必要となります。

利用に伴うデメリット

おまとめローンよりも債務整理のほうが受けるデメリットは多く負担も大きいといえるでしょう。

おまとめローンと債務整理の使い分けのポイント

おまとめローンと債務整理には各々一長一短があるので、債務者の状況によりどちらを利用するか判断するべきです。

債務者に既存の債務額を返済する能力が明らかに不足している場合は、多少コストをかけても債務整理をするべきでしょう。債務整理後にはいくつかのデメリットを受けることになりますが、返済で苦しめられる生活からは解放されることになりますね。

しかし、やや生活が苦しくても債務を返済するだけの能力がある場合にはおまとめローン利用して着実に返済したほうが良いかもしれません。

おまとめを利用すれば、債務整理のようにクレジットカードやローンが利用できなくなるということもなく、債務整理者として官報に名前が載るなどのデメリットを受けなくて済むでしょう。

以上のようにおまとめローンと債務整理にはそれぞれ魅力的な長所や短所があります。どちらが得か損か、有利か不利かは債務者の状況によって異なってきますが、どうしても債務額を返済しきれない状態なら債務整理で、それ以外ならおまとめローンを中心に考えるとよいかもしれませんね。

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