おまとめローンを組んでも損をするケースはあるの?
目次
おまとめローンで借金をまとめると返ってくるはずの「過払い金」が返還されず、損をする
これは「長期間、キャッシングを利用していた」方の場合です。
昔の日本には「グレーゾーン金利」というものがありました。
日本のキャッシングに関する法律は2つあって、その2つで「上限金利」が異なっていたんですね。
どちらも「法定金利」なので正しいです。
そして、業者は当然「高い方」で貸したがります。
(これが「グレーゾーン金利」です)
昔のキャッシングの利用者は、この「グレーゾーン金利」で借りていたのですが、やがて法律が改正されました。
「安い方の金利」で統一されたんですね。
そして「高い金利を払っていた人は、過去の分までさかのぼって、返還してもらえる」というルールに。
これが「過払い金の返還請求」というものです。
おまとめローンを利用すると「それができなくなる」んですね。
なぜおまとめローンを組むと、過払い金が戻ってこずに損をするのか
過払い金はあくまで「それを払った業者」に対して請求する必要があります。
「A社に対して払い過ぎた」なら、「A社に請求する」わけです。
(当然ですね)
しかし、おまとめローンを利用すると、こうなるわけです。
- A社…完済
- B社…完済
- C社…完済
- D社…ここでまとめる(例えば100万円)
A社 | 完済 |
---|---|
B社 | 完済 |
C社 | 完済 |
D社 | ここでまとめる(例えば100万円) |
…という風です。
見ての通り「A社…完済」になります。
ということは「もう、A社との関係は終わった」ということ。
一度、関係が終わると「A社に昔払った過払い金も、もう戻ってこない」んですね。
自分から関係を終わらせたのだから、当然です。
借入まとめさえしなければ請求できたのですが、それができなくなってしまうわけですね。
なので、特に10年くらいなどの長期間借り入れを続けている方は、このデメリットをよく考慮してから、借入まとめを検討しましょう。
(もし過払い金が戻ってこないなら、手数料など問題にならないくらいの大きなデメリットです)
おまとめローンを組んでも、逆に金利が高くなって損をする場合がある
これはめったにないことですが、人によっては起こります。
というのは、多数の会社から借り入れた「後で」、あなたが信用を悪化させた場合です。
(流れで書くと、下の通りです)
- あなたがA社~E社の5社で借りた
- この時点で、あなたの評価は高かった
- だから、各社とも高い金利にはしなかった
- しかし、その後遅延を繰り返し、あなたの信用は下がった
- その状態で、A社に借入まとめした
- しかし、A社は昔のようにあなたを信用していない
- だから、昔より高い金利にした
- 借入まとめしたのに、逆に金利が高くなった
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
…ということです。
つまり「各社から借りた後で」、あなたが遅延などを繰り返していたら、要注意ということです。
基本的に、おまとめローンで金利が上がって損をすることはめったにない
上のように書いたものの、これはめったにないケース。
どれだけ「信用を失っていた」としても、せいぜい「金利が変わらない」くらいです。
というのは、借入まとめは業者にとってメリットがあるのです。
「自社の利益が増える」
「ライバルのお客を奪える」
…ということですね。
これだけのメリットがあるので、多少あなたが信用できなかったとしても、「今まで通りの金利」くらいにはしてくれます。
あなたにとっては、金利は下がっていなくても「とりあえず借金を整理できて、精神的にスッキリした」という状態になります。
これだけでも十分なメリットです。
(私も過去に多重債務者だったので、このすっきり感を知っています)
それに、こう書いたものの、基本的に「おまとめローンは金利が下がる」もの。
このデメリットについては「そういうこともある」程度に思ってください。
以上、借入まとめ(借金の一本化)のデメリットや注意点を書きました。
再度強調すると「手数料はまったく影響ない」と言ってもいいくらいなので、これらのデメリットの方に注意してください。
(特に過払い金の消失ですね)