なんでカードローンの審査は収入証明不要なの?

調査

なぜ、カードローンの申込は一定の金額まで「収入証明書不要」で借りられるのか?

カードローンの説明を見ていると、50万円までは収入証明が不要といった表示が見られます。
だいたいどのカードローン業者も同じだと思いますが、これはなぜでしょうか?

答えは、国が法律(貸金業法)で、下記のように決めたからです。

  1. 貸金業者は、「50万円以上から」収入証明書をチェックすること
  2. 貸金業者は、「他社も含めて100万円以上」で収入証明書をチェックすること。
  3. ただし、銀行は「貸金業者」に含めない(銀行法)

1と2によって「消費者金融…50万円以上(他社含めて100万円以上)」というルールが決定。
3によって「銀行…100万円~300万円」となったわけですね。

銀行は規制の対象外なので、極端な話「いくらだろうと、収入証明書を確認しない」というのもありです。
しかし、それでは銀行自体が「返済してもらえないリスク」を抱えてしまうので、「大体100万円~300万円から確認しよう」となっているわけです。

収入証明が不要でなぜ借りれるのか?カードローンの仕組み

これは「多少回収できなくても、元が取れる仕組み」だから。つまり「多めに金利を取っている」ということです。

消費者金融で、どのくらいの割合で破産者が出るかは、長年の統計でわかっています。つまり毎年「これだけの赤字(貸し倒れ)が出る」とわかっているわけですね。

だったら「それをカバーできるだけの金利を、他の人から取ればいい」ということ。もちろん、そうして高い金利を取ると「さらに貸し倒れが増える」こともあります。

なので、うまく「バランス」を取るわけです。

「カバーできるだけの高い金利を取る」
「しかし、貸し倒れが増えない程度の金利で抑える」

…ということですね。このギリギリのラインが、今の消費者金融の上限金利「年率18%」なのです。

本当は、消費者金融は「20%」まで上げることが可能。
しかし、それだと「利用者が減る」ことと「そこまで上げなくても、貸し倒れはカバーできる」ということで「18%」に抑えているのです。

また、貸し倒れの割合を考慮した金利が高ければ高いほど貸し倒れ率を多めに見積もっているということにもなります。
審査の甘さという点では、金利が高いもののほうが審査に通る確率は高まります。

金利が消費者金融のカードローンより低い銀行カードローンは、消費者金融よりも基本的に審査の難易度が高くなります。
それぞれのカードローンの収入証明が不要な貸出金額のラインについては、下記に詳細をまとめましたので参考にしてください。

銀行カードローンが、収入を確認せずに数百万円融資してくれる理由

これは「口座を抑えている」ため。
「返済しないようなら、その人の口座に関するサービスを制限する」という手段が使えるためです。

単純にいうと「凍結できる」ということですね。
(実際に口座を凍結することは、まずありませんが…)

こういう手段が使えるので、消費者金融よりリスクが少ないのです。
また、この手段のため、銀行カードローンは「その銀行の口座が必要」となっています。

こういう手を打っているため、

  • 消費者金融より安い金利
  • 消費者金融より大きい金額

でも、収入証明書なしで融資できるんですね。

また、銀行カードローンは「収入証明書」に関する条件だけは消費者金融より甘いですが、他の審査はすべて厳しいです。
消費者金融の審査は通ったのに、銀行カードローンでは落ちた…ということはよくあります。

そもそもの審査を厳しくしているので、収入証明書の確認を多少ゆるくしても大丈夫、ということです。
(たとえば、消費者金融では回避できる「職場への電話確認」も、銀行では回避できません)

補足:収入証明が必要な金額は貸金業法のどの部分によって決まっているか

正確な情報を知りたい方のために、ここで書いた内容が「貸金業法のどの部分に書かれているか」をまとめます。

  • 「50万円以上」「他社含め100万円以上」で確認が必要
  • …貸金業法第13条第3項

  • 銀行は総量規制の対象外

銀行は「貸金業法」ではなく「銀行法」で管理されます。なので、「貸金業法の中に書かれた」上のルール(総量規制)は、最初から無関係ということです。

つまり貸金業法の中には「銀行は総量規制の対象外」ということは、書かれていません。
(多くのサイトが「貸金業法によって、銀行は総量規制の対象外になっています」と書いていますが)

以上「カードローンはなぜ収入証明書不要で借りられるのか」を説明しました。
貸金業法や銀行法に関する知識、業界の裏の仕組みとして、参考にしていただけたら幸いです。

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